石立山 そろそろ花も終わり?と思ってもまだまだ。キノコも色々。  
剣山地 (いしだてやま 1707.7m)2010年8月15日日帰り  
    
行  程 ■1日目
1日目 石立山登山口〜竜頭谷〜岩場〜西峰〜石立山〜西峰〜岩場〜竜頭谷〜石立山登山口 【石立山登山口】07:42→【竜頭谷】08:20→【岩場】09:18→【西峰】10:36→【石立山】10:50(昼食)/11:43→【捨身ヶ嶽】12:14/13:00→【竜頭谷】14:38→【石立山登山口】15:02
百日草は、家の近くの道路脇に咲いていた。山とは関係ないが、目に付いたので1枚撮ってみた。今日は、久しぶりに石立山に行くことになった。いつものように別府峡の登山口へ向かう。昨日のお祭りでたくさん飲んだのでなんだかしんどい。登り始めると息が上がってくる。山行前日の深酒はダメ!
コースタイム
登り 3時間08分
下り 2時間02分
5時間10分
コース距離(水平)
8.1q (石立山登山口〜石立山〜石立山登山口)
累積標高差(往路) 秋になると営業を始めるもみじ茶屋を通り過ぎ、吊り橋を渡る。足跡からすると、少なくとも1人は先客がいるようだ。
+1204.9 -71.5
   
メンバー
Aさん、自分
       
天気
曇り
キヌタソウ?まだ咲いてるの?最初にこのあたりでそれらしき花を見かけたのは6月15日だから2ヶ月が経過した。
キヌタソウ(砧草)は、アカネ科ヤエムグラ属の多年草で山地の林縁に生える。葉は4枚ずつ輪生し茎の上部に、径 2〜3 mm の小さな白色の花が円錐状に多数つく。 花冠は4裂し先が尖る。 花期は 7〜8月。
ヒメヤブラン(姫藪蘭)でユリ科ヤブラン属多年草。日当たりのよい野原などに生え、葉よりも短い花茎の上部に淡紫色の小さな花を咲かせる。実は直径5mmほどで紫黒色。
左は今回いたる所に咲いていた。上はこの日、時々見かけた木の実。落とし主は、帰り道で発見!
左のカレエダタケは、夏〜秋にコナラ、ミズナラ、クヌギ、ブナ、シイなどの林内地上に群生。サンゴ状のかたまりとなる。先端はとさか状で、やや黄色を帯びる。
右のサルノコシカケは枯れた木や、枯れて倒れた木に発生する。ブナなどの広葉樹に発生するブナサルノコシカケ、コフキサルノコシカケなどがある。生枯れ木に発生して木の栄養を吸い取り、木が完全に枯れると自分も死滅する。抗癌効果などもあるという。右のキノコは??
ベニナギナタタケ(紅薙刀茸)は、シロソウメンタケ科ナギナタタケ属のキノコで、夏から秋にかけて広葉樹の林かマツやモミの混じる林内に生える。オレンジ色がよく目立つ。食べられないこともないようだが美味しそうにない。よく似たものにカエンタケ(火焔茸)という最強の猛毒キノコがあるので要注意。
日傘のような白いキノコは、シロイボカサタケ(白疣傘茸)で、イッポンシメジ科のキノコ。夏から秋に林内の地上に群生、または散生。嗅いではみなかったが、なんだか臭いらしい。食毒不明。
色違いのアカイボカサタケ(赤疣傘茸)とキイボカサタケ(黄疣傘茸)も生えていた。
後ろを登ってくるAさんの「きゃ!」っという声に振り向くと、登山道に横たわる倒木の、手が触れそうな所にアオダイショウがとぐろを巻いていた。しかも逃げる様子がない。
ここは、蛇のすぐ右を向こう側からくぐって登るのだが、Oさんだったら卒倒していたかもしれない。
ナラタケのようだが、まったく自信なし・・・。
ナラタケ(楢茸)は、ハラタケ目キシメジ科ナラタケ属のキノコ。春から秋に主に広葉樹などの倒木や切株に群生、束生する。カサは饅頭型から浅い皿型に開く。柄の上部に薄い膜質の帯黄色のツバがある。ナラタケは、ならの生木に病変を起こす「ならたけ病」の病原菌で、ナラの枯れ死の原因になる。【食用】外見、舌触り、歯切れ、味ともによし?確かに見た目旨そう。
シロハツモドキ(白初擬) トンビマイタケ(鳶舞茸)
ヤマホトトギス(山杜鵑草)は、本州・四国・九州 の山野の林内に生えるユリ科の多年草。花被片に紅紫色の斑点がある。名の由来は、この斑点がホトトギスの胸の斑点に似ているため。花期は7〜9月。
イシダテクサタチバナの実もほとんど落ちて少なくなった。来年もたくさん咲くかな?右のキノコはクロアシボソノボリリュウタケ(黒脚細昇龍茸)。
西峰の手前で1人の登山者を追い抜いた。駐車場に自分たちが車を置くのが、ガレ場の途中で見えたそうだ。この山ではクサタチバナの開花か紅葉の時期以外、誰もいないこともあるだけに、人に会うとなぜか少しうれしい。
シコクフウロ ツリガネニンジン
竜頭谷の直ぐ上で見かけたキヌタソウの群落が西峰の直下にあった。
ガスに濡れたシモツケソウが風に揺られている。
10時36分西峰に到着。休まずに石立本峰へ。
ゴヨウツツジの葉が色づき始めた。秋も直ぐそこ。
ミヤマノダケ(深山野竹)は、セリ科シシウド属の多年草で、四国、九州に分布する。山地に生え、谷間などの湿った日陰を好む。茎は高さ1mになる。葉は3出複葉で小葉は幅が広く卵形。花序には多くの枝があり複散形。花は暗紫色で花期は8〜10月。
 10時50分に山頂到着。
リョウブ(令法)は、北海道南部、本州、四国、九州の丘陵や山地に分布する落葉小高木。葉は先のとがる倒披針形で縁にはギザギザがあり、秋には黄色〜褐色に色づく。7〜9月頃に枝先に円錐状の花序をだし白い小さな花を多数咲かせ蜜をたくさん出す。石立山山頂のリョウブは樹高が低め。
オトギリソウとアオベンケイ。
アオベンケイ(青弁慶)は、ベンケイソウ科 の多年草で、本州(中部以西)、四国、九州に分布。トチノキやミズナラ、ブナなどの苔むした樹上や、岩上に生える。花期は秋で9〜10月だが、あと数日で咲きそうだ。
今日は、久しぶりに、捨身ヶ嶽に向かうことにした。
シコクブシが咲き始めた。シコクブシ(四国附子)は、キンポウゲ科トリカブト属の多年草。関東地方以西に分布するカワチブシの変種で、四国特産。やや高い山地の林内に自生し、葉がほぼ3全裂する。花期は9〜10月。トリカブトの由来は、花の形が神楽などで用いられる装飾品の冠(鳥兜)に似るところから。猛毒(アルカロイド系のアコチニン)があり、さすがにシカもめったに食べない。西峰付近は、これとバイケイソウ(これもアルカロイドを含む)が繁茂する。
ミヤマモジズリ(深山捩摺)は、ラン科の多年草で北海道・本州中部以北と四国の山地の樹林下に生える。根元に長楕円形〜広披針形の葉が2枚付く(写真には1枚しか写ってない)。多数の花がらせん状に並ぶが、片側にやや偏っている。草丈は10〜20cm程度で、花期は8〜9月。和名の由来は、モジズリ(ネジバナ)の花穂に似ていることから。北海道でも数は少ないようだが、四国では珍しいのでは?
7/4、7/18にも登場したタカネマツムシソウ(高嶺松虫草)は、マツムシソウ科マツムシソウ属の耐寒性ニ年草で、本州や四国の高山の崩壊地や礫地に分布する。花は薄紫色で、花期は6〜9月。レッドデータでは新潟県の地域個体群、徳島県ではここにしかない絶滅危惧I類。高知県では、絶滅危惧IB類で分布上高知県が重要な生育地になっている種とされている。
シコクフウロ ツリガネニンジン イワキンバイ
捨身ヶ岳の先端(写真右の高い部分のもっと先の岩の上)に立って・・・
ホソバシュロソウ(細葉棕櫚草)はユリ科の多年草で、本州から四国、九州に分布する。山地の林縁や草地に生え、高さは30〜80センチになる。アオヤギソウの変種で、花が紫褐色。ナガバシュロソウ(長葉棕櫚草)とも呼ばれる。花期は7〜9月。
ミヤマハコベに似たこの花は何だろう。初めて目にするが名前は?
ヤハズハハコ(矢筈母子は、本州(関東以西)・四国・九州の山地・低山・岩場・礫地に分布する多年草。花期は7〜10月。ヤマハハコに似ているが、小型で葉が幅広であることや、主に岩場に生えることなどの違いがある。
石立山で初夏に咲くエーデルワイスの仲間のウスユキソウ(石立山2010.7.4参照)にも似ている。
何度も登場しているイブキトラノオ(伊吹虎の尾)は、タデ科の多年草で北海道から九州の山地から高山帯の日当たりのよい草地に群生する。細長い花茎の先端に長さ6p前後の白か淡い紅紫色の花穂をつける。花期は7〜8月。伊吹山に多く、花穂を虎の尾に見立てたことからこの名がついている。
ソバナ(岨菜)は、キキョウ科ツリガネニンジン属の多年草で、本州、四国、九州の山地に分布する。ツリガネニンジンに似ているが、ツリガネニンジンのように花が輪生する事はなく、形も少し違う。又、ツリガネニンジンのように柱頭が花の外に飛び出さない。名前の由来は、岨(切り立った崖)に生え、若芽が食べられることから。花期は8〜9月。イシダテ山のソバナは、シロバナだ。
ミヤマコゴメグサを小さくしたようなデザインとカラーのこの花は、トサコゴメグサ(土佐小米草)か?ゴマノハグサ科ゴマノハグサ属で四国の主に剣山系に分布。
ウメバチソウ(梅鉢草)は、ユキノシタ科ウメバチソウ属の多年草で、北海道〜九州に分布する。山地帯から亜高山帯下部の日の当たりの良い湿った草地に生える。高さ10〜40cmの花茎が直立し、1枚の葉と1個の白い花をつける。花期は8〜10月で開花直前の状態。
 
ダイモンジソウ(大文字草)は、ユキノシタ科の多年草で、山地の沢沿いや湿った岩場に生える。花期は 7〜9月。花弁が赤や緑色のものもある。
ムシトリスミレ(石立山2010.7.4参照)は、花が終わっても相変わらず虫を補食しているのかな?粘液のツブツブは分泌されているようだ。
オオダイトウヒレン(大台塔飛廉)は、キク科トウヒレン属の多年草。本州(東海・近畿・中国地方)・四国・九州に分布する。高知県の絶滅危惧II類。愛媛県では石鎚山のみ。
ヒメフウロを最初に見かけたのは7月の初旬だったが、まだまだたくさん咲いている。ただ咲いている場所はあまり良くない。
ニホンマムシ(日本蝮)は、クサリヘビ科マムシ属に分類されるヘビで、野山を歩く時、唯一気にしなければいけない毒蛇だ。ただ、蜂に刺されて死んだという話はよく聞くが、マムシにかまれて死んだという話はあまり聞かない。特別に恐れる必要はないが、要注意だ。焼いたものは食べた記憶がある。
夏はマムシに気をつけよう。一人歩きは禁物!(^_^;)
ムラサキアブラシメジモドキは、秋にブナやミズナラ、クヌギなどの広葉樹林の地上に発生する。全体的に藤色をしていてぬめりが強い。そのぬめりがガラスで出来たようにツヤがあり美しいきのこ。ぬめりが多いので酢の物、和え物、などの料理に合う。芋煮汁などにも良い。アブラシメジの仲間はどれも美味い。
ヤマトウバナ(左)は、シソ科トウバナ属の多年草で、本州(中部地方)・四国・九州の山地の木陰などに生える。右の花は、未同定。
四国固有種のヒメキリンソウ(姫黄輪草)は、果実になっていた。果実も花のようだ。環境省レッドデータブック絶滅危惧II類(VU)。
Aさんが気持ち悪いと言っていた、スギタケモドキ(杉茸擬)は、夏から秋にかけて広葉樹の倒木などに群生する。針状の尖った鱗片をたくさん付ける。傘は饅頭型から開くと平らになる。美味しいキノコのようだが、人によっては中毒をおこすので食べ過ぎ注意!っていうか食べてみたいと思わないよ(>_<)
15時02分、下山。今日の撮影枚数は、約320枚。今晩も写真の整理と選択に追われる (^^;)
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