天狗塚・牛ノ背 ピラミダルな天狗塚のピークから牛ノ背のまったりとした笹原へ
剣山地 (てんぐづか 1812m・うしのせ 1757.1m)2010年8月1日日帰り
    
行  程 ■日帰り(光石登山口〜天狗塚〜牛ノ背〜光石登山口)
日帰り 光石登山口〜堂床〜八丁〜お亀岩〜天狗塚〜牛ノ背〜お亀岩〜八丁〜堂床〜光石登山口 【光石登山口】07:57→【八丁】08:34→【カンカケ谷渡渉点】09:07→【お亀岩避難小屋】10:17/10:27→【お亀岩】10:30→【躄峠】10:55→【西山分岐】11:02→【天狗塚】11:19/11:29→【天狗池】11:41→【牛ノ背】11:58/12:01→【西山分岐】12:34→【躄峠】12:41→【お亀岩】12:57→【お亀岩避難小屋】13:00(昼食)/14:01→【カンカケ谷渡渉点】14:47→【八丁】15:10/15:16→【光石登山口】
   今回は、7月10日に綱附森稜線分岐から三嶺への縦走途中、地蔵ノ頭から眺めたピラミダルな山容の天狗塚に行くことになった。7月25日にAさんが初登頂した石鎚山の話などしながら光石登山口へと向かう。コースは、カンカケ谷を往復することに決定。
 
コースタイム
登り 4時間01分
下り 3時間49分(昼食含) フクロツルタケ(テングタケ科)は、夏から秋、広葉樹などの林内に発生。傘は径7〜20センチ、大きな膜質袋状ツボから発生し、円すい形から丸山形、扁平と変化する。表面は白色に淡赤褐色のリン片があり、大きくなるにつれ色が増す。ひだは白色。茎は白色、ササクレがある。【有毒】肝臓、腎臓などの内臓の組織が破壊され、致死率は極めて高い。
7時間50分
コース距離(水平)
17.0q(光石登山口〜天狗塚〜牛ノ背〜光石登山口)
累積標高差
1241.3m
メンバー シロハツモドキ(ベニタケ科ベニタケ属)は、夏にシイ、カシ、コナラなどの広葉樹林内に群生する。傘は成長するとじょうご型になり、色は白く部分的に淡褐色となる。ひだが密で、柄は白くて太い。誤食すると嘔吐・下痢にみまわれる。ゆでてから、塩蔵すれば食べられないこともないようだが、無理して食べるほどのものでないようだ。
Aさん、自分
天気
曇り
8時34分に八丁ヒュッテに着いた。一休みしてコースを左へ取りカンカケ谷へと向かう。カンカケ谷のすぐ手前で、何か甘い花のような香りがするのにAさんが気づいたのだが・・・香りの主?が気になりながら先へ進む。
八丁から15分程度で、地蔵ノ頭・お亀岩から南東に流れ下るカンカケ谷に出合う。この谷は直ぐ下流でフスベヨリ谷と合流する。
紫色の花弁が落ちているのに気付いて、横の岩を見るとイワタバコが咲いていた。始めて見た今日の収穫のひとつ。
イワタバコ(岩煙草)は、本州・四国・九州・南西諸島や台湾に自生する多年草。谷間の湿った崖や水の滴る岩壁に着生する。タバコに似た葉をもつので「岩煙草」と名付けられている。
 
わりと水が多いカンカケ谷。自分は、ブーツの深さと身長?を活かしてなんとか渡ったが、Aさんは潔く靴を脱いで冷たい水を気持ちよさそうに渡った。
前回も登場した、カンカケ谷でひときわ目立つカツラの老木。
シモツケソウは、関東地方以西の本州・四国・九州に分布するバラ科の多年草で、草原や山地に生える。八方尾根にたくさんあったような記憶がある。落葉低木のシモツケ(下野)に似ている草なのでシモツケソウ。下野国(しもつけのくに)は栃木県の旧国名。花言葉は「穏やか」
イブキトラノオ(伊吹虎の尾)は、北海道から九州の山地から高山帯の日当たりのよい草地に群生する。伊吹山に多く、花穂を虎の尾に見立てたことからこの名がついた。三嶺周辺でもよく見かける夏を代表する花。
シコクフウロ(四国風露)は、本州(中部地方以西)・四国・九州に分布する多年草でイヨフウロ(伊予風露)ともいう。標高の高い夏の草原を代表する。よく見ると個体によって花弁の切れ込みや濃淡が違う。
オトギリソウ(弟切草)は、日本全土の山地に生える多年草で古くから薬草として用いられる。
お亀岩非難小屋に寄り道。帰りはここで食事にしよう。
タカネオトギリ(高嶺弟切)は、四国と九州の比較的標高の高いところに咲く多年草で、花はオトギリソウより一回り大きく葉が細長い。
 
 ヨツバヒヨドリは、北海道・本州(中部以北)と四国の高原の草地に生えるキク科の多年草。フジバカマやヒヨドリバナに似ているが、葉が4(3〜5)枚輪生するので同定できる。花期は7〜9月で、花の色は白から赤紫と幅がある。和名の由来は、ひよどり(鵯)の鳴く夏ごろ咲く ヒヨドリバナに似て、葉が4枚づつ付いていることから。中部地方以北と四国に分布するというのが面白い。北アルプスなどでよく見かける(参考:白山のヨツバヒヨドリ)。
Aさんがトモエソウの群落を発見!やはり目が多い(4つ)とよく見える。
トモエソウ(巴草)は、北海道・本州・四国・九州の山地の日当たりの良い草地に生えるオトギリソウ科の多年草。オトギリソウの仲間で最も大きく、茎の高さは50〜130p、花の直径も5p以上になる。オトギリソウの仲間とは知らなかったが、確かに花の色や葉の形が似ているような気がする。花弁がねじれているのでこの和名がついている。お亀岩周辺には、オトギリソウ、タカネオトギリ、トモエソウが同時期に咲く。
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西山林道登山口への分岐を過ぎて、ガスに煙る天狗塚へ向かう。
11時19分、天狗塚山頂に到着。カンカケ谷から少し遅れて登ってきたおっちゃん(自分もおっちゃん?)に写真を撮ってもらった。
天狗塚から牛ノ背方面、ガスがかかってピークは見えない。
天狗塚から南直下の小ピークと綱附森方面の稜線。
気温は下界に比べて10℃ほど低くて涼しい。少しくらいガスっていても、さわやかで気持ちいいね!
牛ノ背のまったりとした稜線。緩やかな登山道を西に向かって進む。
高原のような牛ノ背の笹原には、ゆったりとした時間が流れている。と言っても結構急ぎ足 (^_^;)。
天狗塚との鞍部から少し登って緩やかなピークに立つと前方に池が二つ見えてきた(左は天狗塚を振り返って)。
登山道北側の岩の上から天狗の池を眺める。雨が多く降れば、2つの池が楕円形につながるのだろう。
水をたたえる天狗の池。三嶺の池と違い、乾期は涸れる。
池の右側を迂回して、コメツツジが点在する笹原の道を更に西へと進む。
11時58分、牛ノ背の三頭三角点を確認!直後に東祖谷の落合小学校?のお昼のチャイムが聞こえてきた。お腹もすいたので、お亀避難小屋へ急いで引き返す。
天狗の池に帰ってきた。
小ピークを乗り越え、天狗塚との鞍部へ向かう(池の近くにある岩の上から)。
天狗塚との鞍部へ下る。天狗塚へは登り返さずに登山道を左にとって、北斜面をトラバース。
天狗塚をトラバースしながら東祖谷を見下ろすと民家がぽつぽつと見える。
登山道との三叉路へ出た。右へ行けば天狗塚。
西山林道登山口分岐の小ピークへ向けて登り返す。
分岐の手前付近から天狗塚を振り返って。
避難小屋へは13j時02分に帰り着いた。早速ランチタイムに。小屋では「今日はここまで。」というシニアのカップルも食事中だった。女性の方は北アルプスなどにも詳しいようだ。1時間ほど休憩して14時01分、小屋を後にする。
カンカケ谷上部で分かれた沢の一つに沿って下る。小さな渡渉点をいくつか渡る。
ほのかに甘い香りがする場所まで帰って見上げると、リョウブが白い花を咲かせていた。「リョウブってこんなにいい香りの花が咲くんだ!」新しい発見!
リョウブ(令法)は、北海道南部から九州に分布する落葉高木。樹皮が薄く剥がれて滑らかなのでサルスベリとも言う。甘い香りで蜜も多いので蜜蜂などに大人気のようだ。
お亀避難小屋を先に出発したシニアのカップルに八丁小屋で追いついた(15時10分)。今年の山の予定など語りながら5分ほど休憩し、お先に登山口へ向かう。15時50分、光石登山口に到着。
【今回のコース(クリックで拡大)】
【垂直プロファイル】
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